アレルギー性鼻炎


 他のアレルギー疾患と同様、近年増加傾向にあり、5人に一人の児童がアレルギー性鼻炎と

いわれたことがあるという調査があります。ダニやハウスダストによる通年性の鼻炎に加え、

いわゆる杉花粉症を主とする季節性鼻炎も増えてきているように感じます。

ただ、小児科疾患の軽症化にともない軽微な症状も気になり病院へ行く傾向も増加していて、

昔なら鼻を垂らしながらそのへんで遊び回っていた元気な子も統計にのってきている可能性があり、

時代を反映しているように思います。

主症状(診断)

鼻がかゆい(鼻をいじったり、手のひらや、上腕でこする)  60%

くしゃみがでる(発作性、反復性、ただし大人ほど目立たない) 60%

鼻がつまる(子どもは鼻をあまりかまないのでこのタイプが多い)   70%

鼻水がでる(水溶性、副鼻腔炎を合併すると粘液性)   70%

 ま、たいした症状ではありません。小児アレルギー性鼻炎の約30−40%は自然治癒するといわれますが、

小児喘息のそれより低く、学童期になると上記症状に伴う集中力の低下、注意力の散漫、不眠

二次的に起こる学力の低下などが問題になり、大人になると、鼻水がでたり、くしゃみを連発すると

それこそ営業にならず、デートもできず社会生活上重大事になります。

 こうした症状が季節性を持ち、目の痒み、充血、などを伴ったものは花粉症と呼ばれ、

春先の杉花粉症が有名です。

治療

 乳幼児期 発症が低年齢化しているといわれます。ただ、この時期は学童、大人に比べ生活上の支障は

        あまり気になりません。鼻閉による哺乳障害、不眠、夜驚などがあれば治療対象になります。

        つまり、少々鼻をぐすぐすさせていても元気に遊び、よく飲み、よく眠れば、あまり神経質に

        なる必要はありません。むしろ、この年齢層では、やはり感染症が多いわけで、

        そちらの初期治療はしっかりしてやりましょう。

        また、アトピー性皮膚炎、小児喘息、アレルギー性胃腸炎など他のアレルギー疾患を

        合併していることも小児の特徴で、総合的ケアが大切です。

 学童期  大人型の症状に移行してきます。上述どうり、学校生活、社会生活に支障がでるようなら、

        きちんと耳鼻科で管理してもらいましょう。

小児アレルギー性鼻炎に適応のある経口アレルギー薬
一般名 商品名 剤形(小児用) 投与回数
トラニラスト リザベン 細粒、ドライシロップ 一日3回
ペミロラストカリウム ペミラストン他 ドライシロップ 一日2回
フマル酸ケトチフェン ザジテン ドライシロップ 一日2回
塩酸アゼラスチン アゼプチン 錠,顆粒 一日2回

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