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サルモネラ感染症SALMONELLOSIS

食中毒の原因菌として有名ですが、熱、血便を伴う胃腸炎ではキャンピロバクターとともに小児では細菌性下痢の原因菌としてはもっとも多いものです。発熱、腹痛、下痢が主症状で時に写真のようなひどい血便を伴います。汚染された肉(鶏肉が多い)、卵など食品から感染し、一昨年のO157も含め細菌性食中毒はいっこうに減っていません。新鮮な食品を使用すること、調理器具、調理する人の手の消毒、食材の十分な加熱などによって防げますが、冷蔵庫の過信、レンジの安易な使い方なども感染が減らない原因かもしれません。菌の姿を見たければこちらへどうぞ。

   
陰嚢水腫 HYDROCELE TESTIS

文字どうり、陰嚢に水がたまった状態で、新生児の6%位に見られ、私たちも健診でよく見かけます。この子も3ヶ月健診で見つけ、両側だったし、かなり大きかったのですが、通常1歳くらいまでには自然治癒するのでそのまま放置を指示しておきました。5ヶ月頃たまたまかぜで来院され、その後どうかなとおむつをとったところ、テニスボール大で張り裂けんばかりになっていて、泌尿器科を紹介、穿刺してもらったあとの写真です。こういう症例は極めて稀でほとんどの子は片側が少し大きいくらいで、ペンライトで照らすと透けて見えます。ただ、ヘルニアなどと鑑別を要する場合もあるので、一度は小児科で診察を受けておいた方がいいと思います。

   
化膿性リンパ節炎 LYMPHADENITIS

 二ヶ月半の男の子、お風呂に入れようとし偶然わきのしたにしこりを発見したということで来院され、よく見ると同じものがそけい部(足の付け根)にもありました。鶏卵大、硬くかつご覧のように発赤が見られ細菌性のリンパ節炎ということで、基幹病院へ入院していただきました。以前に学童で「猫ひっかき病」があったのでそれを疑っていましたが入院中の検査でも病理組織からも否定され(山口大)、結局黄色ブドウ球菌が検出されました。ただ、二カ所同時に急速に炎症が拡大したわけで、侵入経路もはっきりしないままでした。いずれにしても、この年齢の子供さんの感染症は敗血症に進展することがあり軽視できません。

 
手足口病 HAND-FOOT-MOUTH DISEASE(HFMD)

いわゆる夏かぜ症候群の一つ、コクサッキーA16,エンテロ71などが病原ウイルスです。そもそも、この病気私が小児科になりたての頃はほとんど流行もなく弱小ウイルスでしたが、麻疹などが予防接種のおかげで流行があまりなくなるにつれて、大きな顔をするようになりました。昨年は台湾でエンテロ71の大きな流行があり、脳炎などによる死亡例も多く出て、日本でも数例ながら同様のケースが報告されました。写真にあるように水痘に似た水疱を有する発疹が手のひら、足の裏、口腔内にできるのですが近年膝やお尻にも見られます。軽いかぜ症状を呈するくらいで普通は終わります。

   
アトピー性皮膚炎 ATOPIC DERMATITIS

インターネット上でも多くの関連サイトがあり、研究者、実地医家患者さんビジネス関連から多くの発言、情報、がなされています。参考になさってください。楽観もできませんが悲観的になりすぎるのもどうでしょう。

共通していえることは、常識の範囲で可能な限り原因を除去すること、皮膚を清潔にし、保湿につとめること、住環境の整備(といっても、 カーテンなし、カーペットだめ、ソファーはビニール、植木鉢も、ペットもとなるとどんな生活なんでしょう。)などは頑張ってやっていくべきでしょう。加えて、抗アレルギー剤の使用、かゆみ止めのための塗り薬(私は痒みを押さえてやることが小児の場合特に悪化阻止のために最重要だと考えています。)などを併用しつつ少しでも楽に過ごさせてやりたいものです。

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